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うさぎは病気を隠す動物です!

うさぎの診療うさぎは犬や猫と違い、自然界では肉食動物に追われる立場の動物ですので、そうそう弱みを見せません。そのため病気であることを隠してしまい、具合が悪くなっても元気な素振りを見せたりするため、飼い主様が病気に気付いた時には病状が深刻化していることがよくあります。見た目は元気そうでも何か変だな~とちょっとした違和感などを感じられましたら、早めに動物病院にお越しください。

※手術や処置の画像が載っていますので、苦手な方はご注意下さい。

うさぎの消化器の病気

●毛球症・盲腸便秘・胃腸停滞

症状 「食欲不振、便が小さく少なくなる」など

うさぎは毛繕いをして消化管内に毛玉が溜まったり、異物を誤って食べてしまっても、嘔吐が出来ません。そのため、毛玉や異物が消化管を閉塞させてしまうことがあります。悪化すると消化管内にガスが溜まり、うさぎは衰弱してしまいます。腸閉塞がみられると死亡するケースが多くなります。また、低繊維の食餌、高炭水化物、ストレスやホルモンバランスの崩れなども誘因となります。

治療法

内科治療:消化管運動を亢進させるための投薬を行います。
外科治療:手術で閉塞しているものを取り除きます。

予防法
  1. ブラッシングをまめに行う。
  2. 新聞紙や布など、うさぎが消化できないものを齧らせない。
  3. 繊維成分の多い野菜、干し草、野草を給餌する。
  4. 毛球除去剤を投与する。
  5. パパイヤ酵素などの酵素剤を投与する。
正常なウサギの腹部のレントゲン
【正常なウサギの腹部のレントゲン】
消化管にガスが溜まってしまったウサギのレントゲン
【消化管にガスが溜まってしまったウサギのレントゲン】

●寄生虫感染・細菌感染

症状「発育不全、体重減少、下痢」など

仔うさぎで発生が多く、激しい下痢は命に関わります。

治療法

抗菌剤や駆虫剤の投薬を行います。

うさぎの歯の病気

●不正咬合

症状「食欲不振、歯ぎしりをする、口の周りをよだれで濡らしている、体重減少、下痢」など

うさぎには前歯(切歯)だけでなく、奥歯(臼歯)もあります。その全ての歯は一生伸び続けます。正しい食生活をしていれば、自然と歯もすり減っていきますが、ケージを噛む癖や不適切な食餌、感染症、事故による歯の破折、遺伝などさまざまな原因により歯の咬み合わせが悪くなってしまうことがあります。咬み合わせが悪いと、歯が尖って伸びてしまい、口の頬面や舌を傷つけてしまったり、歯の根元に膿を溜めてしまい、眼や顎の感染症や顔~顎の骨の変形を起こすことがあります。

治療法

切歯や臼歯のカット(不正咬合を元通りに戻すことは難しいので、多くのケースでその後も定期的な治療が必要になります。)
*臼歯の不正咬合では一般的には全身麻酔での処置となります。

切歯の不正咬合
【切歯の不正咬合】
不正咬合のため、顎がよだれで濡れている症例
【不正咬合のため、顎がよだれで濡れている症例】
臼歯が舌を傷つけしまった症例(舌潰瘍)
【臼歯が舌を傷つけしまった症例(舌潰瘍)】
うさぎの臼歯カットの器具
【うさぎの臼歯カットの器具】
正常なウサギの頭部(歯)のレントゲン
【正常なウサギの頭部(歯)のレントゲン】
不正咬合が原因で歯や顎の骨の変形が生じた症例のレントゲン
【不正咬合が原因で歯や顎の骨の変形が生じた症例のレントゲン】

うさぎの生殖器の病気

●子宮疾患

症状「無症状~食欲不振、血尿、子宮腺癌の肺転移」など

女の子のうさぎでは中年齢以降(4才以上)で、子宮疾患が高い確率で発生します。(50%~80%の発生頻度との報告もあります。)高齢によりホルモンバランスが崩れることで、子宮内膜に変化がおこり、ポリープ形成→嚢胞状過形成→腺腫性過形成→腺癌へと進行します。子宮の腺癌が肺や他の臓器に転移し、進行した肺転移は呼吸困難を引き起こします。
予防として、お産の予定のない雌うさぎを飼う場合は早期(生後6-12カ月)に避妊手術(卵巣子宮全摘出手術)をお勧めしています。

治療法

外科治療:卵巣子宮全摘手術を行います。

正常な子宮(予防的な避妊手術での子宮)
【正常な子宮(予防的な避妊手術での子宮)】
子宮の片側に粘液が溜まった子宮(子宮水腫)
【子宮の片側に粘液が溜まった子宮(子宮水腫)】
子宮腺癌
【子宮腺癌】

うさぎの呼吸器の病気

●スナッフル

症状「連続くしゃみをする、鼻汁が出る~呼吸不全」など

原因は細菌や真菌の感染、ウイルスの感染、切歯の歯根の炎症などで、鼻炎症状(スナッフル)を起こし、元気がなくなったり、食欲不振を伴うこともあります。
悪化すると肺炎や胸膜炎を起こし命に関わることもありますので、早期発見、早期治療が重要です。もし連続くしゃみを1日のうちに数回聞いたら、早めに受診してあげて下さいね。

ネブライザーで治療中のウサギ治療法

抗菌薬の投与
吸入療法(ネブライザー療法)など

【ネブライザーで治療中のウサギ】
手作りのボックスに入って、機械で霧状にした抗菌薬や消炎剤を吸入しています。
ウサギに優しい治療です。

うさぎの泌尿器の病気

●膀胱炎・尿路結石(腎結石・膀胱結石)

症状「頻尿・血尿・おしっこのポーズをとっても全く尿が出ない・食欲不振」など

カルシウムの多い食餌や体質的なもの、細菌感染などが原因となります。
尿路に出来てしまった大きな結石は、排尿時に出血や痛みを伴うことが多く、痛みの緩和や閉塞の予防のため手術で摘出を行うことが勧められます。手術後は食餌や投薬にて、予防的治療を行います。

膀胱結石のレントゲン
【膀胱結石のレントゲン】
手術で摘出した膀胱結石
【手術で摘出した膀胱結石】

うさぎの神経筋骨格の病気

●骨折

症状「元気がなく動かない、肢を引きずる」など
脛腓骨(すねの骨)骨折のレントゲン
【脛腓骨(すねの骨)骨折のレントゲン】

うさぎの骨は自然界で出来るだけ速く走って逃げるために、とても軽く進化しています。そのため、もろくて、骨折しやすく、治りにくいという特徴があります。
高い所からの落下、ケージ内での跳躍、驚いて暴れる、人が誤って踏んでしまったなど、家庭内での事故が主な原因として挙げられます。

治療法

ギブスや手術で骨を固定します。
残念ながら治りが悪い場合は、感染予防のために、折れた場所から切断するケースもあります。

予防

危険性のない安全な飼育環境を作ってあげて下さい。

●斜頚

症状「首が左右どちらかに傾く、目や頭が揺れる、繰り返し転倒する(ローリング)」など

細菌感染などによる内耳の病的な変化や、エンセファリトゾーン(胞子感染が起こる菌)に脳の一部が侵された為に起こります。神経の外傷や腫瘍の可能性もあり、原因が分からず突然発症することもあります。
悪化すると、採食困難となり衰弱してしまうことが多いです。

治療法

抗エンセファリトゾーン剤、抗菌剤、ステロイド剤、ビタミン剤などの投与を行います。採食困難な症例には家庭での強勢給餌なども加えて行い、体力を落とさないようにケアしていきます。

●開張脚

開張脚
【開張脚】

遺伝性疾患で一般に4カ月齢に達するまでに発症がみられます。後肢や股関節などが異常をきたし、正常に体を支えることが出来ない病気です。床ずれをしないように飼育環境を整えてあげると、軽症の症例ではウサギは後肢の変形に適応して暮らすことが出来ます。

うさぎのケアー

●ブラッシング

ウサギは個体差もありますが、年に2回~年中換毛します。抜けた毛はウサギ自身が毛繕いすることで舐めとってしまうので、特に換毛期には毛球症に注意しましょう。ウサギは猫のように毛玉を吐き出すことが出来ないので、まめにブラッシングを行ってあげて、毛並みもお腹の中もきれいに保ってあげましょう。

●シャンプー

基本的には勧めておりません。ウサギの被毛は細くて乾きにくく、水につかると興奮してしまうウサギも多いので、下痢などでお尻が汚れるなどの場合のみ、注意して部分洗いをしてあげて下さい。
ウサギ用のドライシャンプーは、ストレスにならないようであれば行って良いかと思います。

●爪切り

1~2カ月に1度の爪切りをお勧めします。爪が長いと、絨毯などに引っ掛かり折れることもあります。ウサギの爪には中に神経と血管が通っているので、その先を注意して切ってあげましょう。動物病院でも爪切りを行っています。爪切りのついでに全身の健康チェックも行えますので、お気軽にお越しください。